Coloring Musical【indigo Tomato】東京千秋楽

 

めちゃくちゃ公演内容ネタばれしてるので、要注意です!!!

 

 

初見の感想は下記です。

hatsukatutu.hatenablog.com

 

二回目でありmy楽だったんですが、観劇中に初めて壮ちゃんに対して「平間壮一、やべぇな、」という感情が沸き上がりました。母親を公園で待っているシーンでマモルとあやが話をしている時(要は舞台のお芝居が壮ちゃんメインではない時)、黒目をゆっくりと動かしてる表現を観て、ヤバいという感情がふつふつと湧き上がってきました。
やー、ヤバい。ヤバいわ、ヤバいよ。何かよく分からんけど、ヤバい。ああ、これはヤバい。とホントそんな感じでぐわっと来ました。
人間の黒目ってあんな感じで動かせるんですね。目は口程に物を言うって言葉がある通り、これまで色んな役者さんで瞳のお芝居を観てきたけど、それを通り越してお芝居というよりは表現という感じでした。ゆっくりと寄り目にしてそこから同じテンポで元に戻すサヴァン症候群の青年を演じる壮ちゃんを観て、ヤバい、と思いました。

初見の感想で

観終わった後にやっぱ平間壮一という役者が凄く好きだなと思いました。
もうこの感想は揺るぎないもののような気がします。

と記載したのですが、ソッコーで覆ってます。掌、くっるくるです。好きとか尊いという想いを抜き去ってヤバいという感情が前面に押し出してきました。
平間壮一、ヤバかったです。
このヤバいって感情に凄く既視感を感じて、あれ?なんか前も観劇中に、ヤバい、なんかよく分からんけどヤバいって感情を持って、観劇後にヤバい、なんか分からんけど兎に角ヤバかった、彼のファンは5回は観た方がいいってわーっと心に湧き上がって止まんなかった舞台あるなって考えた時、「あっ、ラディアント・ベイビーを始めて観た時、柿澤君に対してそう思ったんだ。」と気付きました。
RB初見時、「柿澤君観てみたかったんだー、楽しみー。うふふ。」ぐらいの軽い気持ちで観にいって柿澤君にドロップキック喰らって崖下に突き落とされた記憶があります。
落ちるってこういうことを言うんだなっていうほど、とんでもない衝撃で突き落とされました。ぶっちゃけ、壮ちゃんに関してはもう落ちてるし、ここ数年は推しだ、と認識して舞台通っていたので、自分が既に崖下に居ることを認識していたので、ここでドロップキックかまされるとは思っていなかったですよ。
正確に言うとドロップキックじゃない。なんかもっと絞め技のようなもの?繊細で緻密な演技を見続けた結果、コロッといってしまったような、そんな感じ。
崖下に落ちて瀕死の状態だったところをじわじわと息の根を止められたような気持でした。
何を言っているんだ、お前は……、という感じですが、そんな感じなのです。

 

瞳の演技も凄かったんですがそれと前回も書いた手と指の表現が凄かったです。
大阪で観劇予定の人は手!壮ちゃんの手を観て!!!って思うほど、サヴァン症候群の青年を手で表現してました。舞台に立ってる間、ずっと!ずっとですよ。ずっと手でお芝居してました。初見時に凄くその手のお芝居が印象深くて、家に帰ってマネしてみたんですが(何をしてるんだ。。)、できない。まじ、手の筋と関節、どうなってるんだよっていうポージングと動のお芝居をしてました。
ちなみにカテコん時、役が抜け切れてないのか手がずっと所在なくわきわきと動いてたのが印象的でした。
(と言いつつも自分はそんな初日・千秋楽にこだわりがなくてあんまりカテコの挨拶観たことないんで、いや、いつもあんなもんだよって感じだったらすみません。。)

身体全体を使って届けるお芝居も、声のお芝居も、そっから瞳の動きのお芝居も、もう隙がなくサヴァン症候群の青年、タカシでした。
あとね、2時間のお芝居の中で顔が変化したんですよ。何を言ってるんだって話なんですが、他人に対してバリアを張っていた序盤、あやに出会って心を開き始めた中盤、ラストのシーンと顔が違うんですよ。表情や顔付きが違うとかそういうレベルではなく表現として顔が違ってました。徐々に徐々に顔が変化していきました。何あれ、どうなってんの?あとπの話する時だけ雰囲気が柔らかくなるの。。凄い。。カテコの顔がいつもの壮ちゃんの顔で安心しましたよ。。
物語と出演者5人という関係から博品館が観客に届けやすい、届きやすいキャパなのかなと思ったんですが、後半、いや、壮ちゃんのこのお芝居、このキャパじゃ狭すぎるでしょ、もっと大きいところでやんなきゃダメでしょって誰だよって感じの上から目線意見が生じました。
実際にステアラでガシガシにお芝居してた人なんで大きいところだから届かないってないと思うんですよね。
(訂正。大阪公演のキャパが全然違いましたね。。)
俳優のファン等、限られた人しか観れない作品だったと思いますが、毛色の違う人が観ても楽しめる作品だったんじゃないかな。観て欲しかったな、と思いました。

 

初見感想の訂正
初見時、色々な想いを感想としてわぁーと書いたのですが、二回目観てる時に記憶違いもはなはだしい!!ってなりました。

マモル@溝口琢矢
兄を想う気持ちも兄に対する屈折した思いもちゃんと演技で伝えてましたね。初見時の感想、本当に観る側の問題で申し訳ない。あと、「母無し子」じゃなくて「兄さんだけ置いて行けばよかったんだ、」でタカシが「俺がマモルを母親の居ない子にした、」ですね。(細かい台詞は違うと思うけどニュアンス的に)
溝口君、本当凄く上手くて良かったん(声がメッチャ好きやー)ですが、最終的にアミューズって本当に素晴らしい事務所ですね、に落ち着いてしまう自分が凄く憎い(もっと違う感想を持てや)。でも、そうなんだもん。。。
カテコで壮ちゃんにこれから稽古ですと言われて気付いたのですが大阪公演終わって数日後に主演舞台なんですね。うわぁ、大変だ。。。
現実ならもっとタカシを突き放してもおかしくない筈なのに優しく温かいマモルという役が本当に素敵に似合う溝口君でした。ジョン万次郎も頑張ってください。

 

ユーゴ・オブライエン@大山真志
オブライエン役とその他の役が見分けにくいと前回書いたんですが、ジャケットと眼鏡の着用で区別してましたね。
大山君、本当お歌上手いし、屈折した野心家の役凄く良かったです。タカシを障害者と見下すシーンも個人的にそこまで嫌な感じはせず、オブライエンの過去のため、そうせざるを得なかった感を感じました。
初見時はハーフであることの苦悩に対してそこまで感情移入できなかったのですが、それこそが彼を異星人にしてる根本で大多数が何ともないと思ってる一言が少数派を傷つけてるんですよね。あと、言った方は一回だけど、
言われてる方は何十回、何百回のことなんで外に吐き出せない感情が積もってくだけなんですよ。(冗談みたいなんですが、一昨日、左利きって格好良いよね、と言われてうふふ(^q^)ってなりました)

 

あや@安藤聖
二回目のあやさんはめっちゃ効いた!!!あやさんが居てくれて本当に良かった!!!ってなりました。あやさんのことをマモルはバリアのない人って称したけど、本当にその通りでタカシの心にぐいぐい入り込んで、ちゃんとマモルのことも引っ張り上げてた。
タカシが初めてあやのことを友達として認めた時、E.T.のポーズで意思疎通するの好きだな、まさに異星人との交流。

 

5つのキャラクター@彩吹真央
彩吹さんも素晴らしかった!!!あとお美しい(笑)特に元男性のローズがゴージャスで凄く好き。剣幸さんや彩吹さんの演じる役はタカシとマモルにとってキモになる役柄なので、そこを力量のある役者さんが演じてくださっているから説得力が増して嬉しい。彼女達の演じる役で何回泣かされたろうか、ってくらい泣きました。MAを観に行く予定なので、彩吹さんをまた観れるのが楽しみです!

 

物語について
前回書いた通りで感想は何も変わっていません。
サヴァン症候群の青年の物語のようにみえて、大多数から外れた人なんてたくさん居る、それを恐れる必要はないし、罪悪感を抱くこともない、ただ自分のままで生きていていいというお話なんだと思いました。前回の感想で

誰も自分が「完璧だ。」とか「正解だ、」とは思ってないと思うんです。

 と書いた時、いや案外世の中には自分のことを「正解だ。」と思ってる人はたくさん居るよな、てか、自分、そう思ってる人と壮絶なキャットファイトを繰り広げて前ジャンル卒業したやん、と思い浮かんだんですが、そう思ってない人もたくさん居るし、自分の意見としてはそちら側だからとそう書いたのですが、
自分が「正解だ、」と思ってる人たっくさん居ますよね。

ただ自分の世界が普通で、自分の世界が正解だと思ってる人。
個人的には
想像力のない人なのかな、と思う時もあります。
自分の人生以外の世界が広がっていることを知らない、分からない、思いつかない。
自分の世界以外を知らないから自分の世界が正しくてそれ以外の世界を受け入れられない人なのかな、と思います。
実体験で言えば、演劇をしたことがないから、
なんで、何回も観るの?
初回を観に遠征っておかしくない?意味わかんない。
四季観ないの?
とか平気で悪意のない言葉を投げ掛ける。
それ以外の会話や話題で話をすることはできるし、投げ掛けられた言葉は普通の人の意見なんだけど心がモヤっとしない訳じゃない。だから絶対に分かり合えない異星人同士だから仕方がないんだな、と諦めています。
そんな諦めをタカシをずっと持っていて、居心地が悪いという。
彼を取り巻く環境は良い方に変わったけど、100%居心地の悪さがなくなった訳じゃない。
それでも彼とマモルがこれから歩む人生に優しい人たちが傍にいてくれたらなと思う。
初見の時も思ったのですが本当の意味での悪人が出て来ない物語で良かったな、と思います。現実は悪人も居るし、嫌な思いもたくさんする。でも、人生に悲観するほど悪い人でいっぱいという訳でもない。物語の終盤で公園でπを覚えてるタカシに「頑張れよ。」と声をかける大山君扮するアンサンブル。私もそんな人間になりたいと思いました。頑張ってる誰かを素直に応援できる人間に。
そして、偉そうなことを書いてしまったのですが私も誰かにとって知識がなくて、分からず屋で想像力のない人間で、きっと、というか絶対何気ない悪気のない一言で誰かを傷付けきたんだと思います。もっと広い視野と広い心を持って想像力豊かに人生を生きていきたいな、と思いました。

 

推しが堪能出来て、明日また頑張ろうって思う舞台に出会えること以上の幸せってあるのだろうか、という気持ちです。
例えば、今回の舞台がダンスごりごりにする壮ちゃんだったり、終始ニコニコって笑ってる壮ちゃんでも自分は凄く楽しめたりすっごい良かったって思って劇場を後にすると思うんですね。でも、今回の舞台はその二つを除いた舞台。
さっいこうでしたよ。本当に。
髑髏城の七人~上弦の月~を観に行った時、すっごく楽しかったんですが、自分の観たい壮ちゃんとちょっと違うな、と思っていました。喜々として年始年末、豊洲でクルクルと廻ってたんですが、こういう壮ちゃんが観たかったっていうとちょっと違うなという思いもあって。。。(霧丸役は素晴らしかったですよ!!!でも抵抗でblogで人外の役が似合うのに、と書きまくりました。)
今回、凄く自分が観たかった役者・平間壮一を観られて満足です。本当に。
前回、小林香さんに役者・平間壮一の解釈が一致してると書いたのですが、例えば、終盤、円周率をそらんじる時にダンスの振りを入れるのとか、わかってるぅぅう!!!感が半端なかったです。最後、解き放たれたシーンで壮ちゃんのダンス観たいよね。分かる、分かるって感じでした。
自分は楽しい演劇をしたいなら出演者じゃなく、自分の性癖と萌えポイントが一致してる演出家の作品を選べって思ってたんですが、新に推しに対しての解釈が一致してる演出家を選べ、も追加されました。そこそこハードル高いですが。。。
取り敢えず小林香先生には「殺人鬼を演じてる壮ちゃんが観たいな、」と伝えたい思いでいっぱいです(笑)