【ファントム】

2019年観劇始めでした。
めちゃくちゃ公演内容ネタばれしてるので、要注意です!!!

 

公演決まった時に宙組版を借りて予習。
個人的にあんまり心にピンと来ないお話でした。

ピンと来ないというか、エリック(ファントム)の恋物語として進んでるところにエリックの親子の物語にスライドするのがどうしても違和感で。
あと、どうしてもキャリエールに対して、こ、こいつクズだな、みたいな感情が拭いきれない。
カトリックだから再婚出来ないっていうけど、キリスト教は姦淫が罪だからそもそも罪を犯してるし、結構長い間黙ってたろ、お前、と思った。(子供が出来なかったら絶対告白しなかっただろ。)
台詞でエリックを見放さなきゃならない、とか序盤から結構突き放そう突き放そうとしてるのに最後に、愛しい息子だ、とか生きがいとか言うのが凄く違和感で、調子よい男だなーと思ってました。
それとオペラ座の怪人で絶対にみんなが思う、あんな魂の大熱唱して顔を見せて貰ったのに「キャーーー、」って逃げるクリスティーヌってなんだよ、、とかね。
自分の中で結構ツッコミどころの多い作品だな、と思ってました。
曲は凄く良かったので、だいきほのお歌はとても楽しみだったのですが、物語を楽しめるのかな?というのがちょっと自分の中の不安点としてありました。
実際にムラ千秋楽のLV観に行ったんですが、すすり泣きが聞こえるなか、やっぱりツッコミ所を消化出来ない自分が居ました。

 

そんな感じで観に行ったのですが、You are my ownで泣いてしまいました。
掌、クルックル!!!!
いや、途中まで本当にキャリエールを受け入れられなかったんですが、エリックがそんな父親でもずっと愛を求めていて、その愛が確信に変わった瞬間、泣いてしまいました。終盤、エリックが捕まった時に「父さん!」ってお願いするのを観てね、この物語はエリックの愛の物語なんだな、と思いました。
顔が醜くなければ世間から隠れて生きることもなく真っ当に生きることが出来た青年が、ただ母の愛を探し続けて、その愛を持った女性に出会い、すぐ傍にあった愛に気付き受け止め受け入れられた、という愛の物語。
だから男女の愛に行くのか、親子の愛に行くのか芯がぶれたように感じていた部分も、いやそうじゃなくてこれは愛の物語なんだから分類分けは野暮なんだよ、と今ならわかります。

そこそこ反発心を持って観に行ったのに泣かされ説得させられてしまうなんて、生舞台が持つパワーって本当に凄いなと思います。勿論、トップコンビ率いる雪組の力も凄いのですが。

 

キャストについて
エリック@望海風斗
歌がうまい、って当たり前のことを何度見ても改めて実感して感動します。
ひかりふる路のロベピの時も思ったけど、なんであんな精神フルボッコな演技がうまいんでしょうか、そして似合うんでしょうか。
エリックが可哀想で、可哀想で。ロベピの時も思ったのですが、人の気持ちを乗っけられる役者さんて本当に凄いなと思います。更に歌が上手いってとんでもないことだな、と思います。

 

クリスティーヌ@真彩希帆
歌がうまい、って当たり前のことを何度見ても改めて実感して感動します。
オペラ座前のまだ不慣れな歌い方やビストロでの震え声は、技術があって初めて出来ることなんだな。
My True Loveはクリスティーヌの中で絶対にエリックを愛することが出来るという確信があって歌われた歌なんだな、ときぃちゃんの歌声を聴いて思いました。その後の顔を見て一瞬ひるんだ表情を見せて逃げ出していくのも、確信を裏切った自分を信じられない、というクリスティーヌの心の葛藤が見えて良かったです。
受け入れられると思ったんだよね、エリックを。

 

キャリエール@彩風咲奈
色々とクズなキャリエールですが(笑)
観劇後友人に、まだ18歳だったんだよ、愛のない結婚でどうしようもなかったんだよ、キャリエールだって出来る限りのことをしたんだから!とメチャクチャ言われまくりました(笑)
確かに18歳だったし、彼は彼で辛くてどうしようもないことがあって最低限の方法で陰ながらエリックを育ててたんだよな、と大分、彼に対しても受け入れる気持ちになりました(笑)偉そう。
あと、咲ちゃんが凄く歌が上手くなってたなと思いました。
以前聞いた時は空間を埋める歌い方が出来てないな、と思ってたのですが、You are my ownの時にその感覚が違っていたので、凄く練習したんだね、と何様な感情を抱いてしましました。
余談ですがブリドリNextとタカニュお正月スペシャルのお陰で私の咲ちゃんへの評価はうなぎ登りです。

 

 

個人的に従者6人が良かったです。やっぱり12人て多いよ。
あんなワラワラ拾ってきてキャリエールはエリックに何も言わなかったのだろうかw
6人でも多いけどww
娘役含めて先鋭のダンサーを選抜したお陰で、踊りも見応えあったし、格好良いし、従者の差別化も図れてたしね。

 

感想としてどうしてもだいきほのお歌最高!!!になってしまうし、それがある意味雪組ファントムのキモでもあるんだけど、咲ちゃんや凪様、あーさはもちろん下級生の組子に至るまで全員が本当に一丸となってファントムという舞台を造り上げてるんだなってことが舞台のパワーから伝わって来たので、物語でわーんって泣かされた後に、雪組大好きだぁ~~~!!!!みたいな気持ちになりました。
本当、雪組、最高。大好き。