雪組『はばたけ黄金の翼よ』

 

衝撃的な作品でした。 

約34年ぶりの再演ということで多少の古臭さがあるんだろうなと思っていたんだけど、その想像を遥か飛び越える作品で割と冒頭から舞台上で行われてることについていけなかった。。。
幕が閉じた後、消化出来なかったし、この後も昇華できるんだろうかと考え込んでしまう、そんなthe 宝塚!!!!な作品だなという印象を抱きました。
(感想がにわかの戸惑いといつもの組子に対する思いと、といういつも以上にとっちらかった感じになってます。。)

 

 

話がサックサク進む。

サックサク進まなきゃつまらないじゃないの、という話なんですが登場人物の心情やバックボーンが一言二言の台詞で済まされてその他の重要な情報が省かれてどんどん進んでいくことにビックらこきました。今まで私が観てた演劇っていうのは観客に親切な造りだったんだな、と思うほどに必要最低限な情報だけを与えて進んでいました。だからビックリしてしまったのかもしれない。
多分、国の情報とか背景がよく分かってないから混乱したのかも。中世の北イタリアなんて知識としてこれっぽっちも脳みそに収まっておらん。。(そもそも架空だしさ。。)これがフランス革命とかだったらきっと自分の知識でまかなえた筈、、多分。。。

 

プロローグ

今までもプロローグのある作品は観たことがあるのだけど、ここまで唐突に流れガン無視でプロローグが始まったことがなかったので、始まった瞬間に一番ポカーンとしました。本当にこれはなんなんだろう???と頭が???でいっぱいになってました。
いや、だってどうみたって前の場面からアラドーロ家を称える場面に繋がる流れではなかった。ビックリした。
そんなあんな頭に羽飾り載せた貴族たちが歌い踊るシーンに繋がるなんて思わないじゃないですか。。。

 

 組子について

歌が上手すぎる望海風斗
改めて書くことじゃないんですが、相変わらず歌が上手すぎてビックリします。
今回は舞台の隅っこでべちょべちょ泣かないし、死なないし、凄い!嬉しい!!と思ってみてました。(それもどうなんだろう、、本当、劇団、どうにかして(エリザベートっぽく))

 

可愛さが半端ない真彩希帆
いやぁーーー本当可愛かった!!!今までのお役(私が観た中)で一番可愛いお役じゃなかったかな。お衣装も可愛かったし。少年の格好も似合ってたし。このきいちゃんが観れただけでも演目として満足度が高いです。

 

朝美絢はこじらせる
サンジュスト君を彷彿とさせる一方通行な重い想いを持ち続けるお役でした。「ヴィットリオのために」SONGも初め聞いた時、衝撃だった。そんな拗らせSONG、、、「ヴィットリオのために」の節がまさか三回も続くなんて、、みたいな。
幾らでもBLっぽくなりそうなファルコとヴィットリオなんだけどあーさの演じ方の所為かそんなBLっぽさを感じず(個人的にはサンジュスト君の方が感じた。まあバックハグとかしてないもんね)、幼い時から主君の影として育てられ主君の為に生きることしか知らない悲しい男感が存分に味わえました。私はそんなあーさを観れて楽しかった。
どーでもいんですが観終わった後に「なんかファルコはスペインで5年ぐらい傭兵として暮らしたら現地の女と子供作ってちゃっかり家族を持ちそう」と言ったら友人に「そんなことないよ。もっと長い間一人でヴィットリオのことを思い続けるよ(ジャンヌではない)」と言われ、どう考えてもそうなのになんでそんな考えに至ったかというと、ただ単に私が漫画で主要キャラのスピンオフを読むのが好きだからです。そして家族とか持って幸せになって欲しい派なのです。

 

永久輝せあは苦悩する
原作と違ってグリエルモ@久城あすの傀儡感が強くて、弱い王子様だったひとこ。悩める演技が凄く好きだったな。クラリーチェに対しても母親の違う妹だからという付き離しはなくて可愛い妹だけど国の為にしかたない、という心の揺れ動きが凄く感じられました。どうでもいいんですが、観劇中、唐突にひとこの声が好きだな、と思いました。今までも何回も生で聞いたことあるのに、なぜか急に好きだなーと思いました。何故だ。

 

黄金の翼よ、綾凰華
あみちゃんと一緒にヴィットリオの部下だったあやなですが、物語の途中から急に出てこなくなり、あれ?あやな??どこ行った??と思いながら観ていたらスペランツァの丘の決闘で「あれは!!?黄金の翼!!!」というクラリーチェの台詞と共に再登場しました。こちら観劇中は頭の中に?をいっぱいにしており、黄金の翼がなんなのか分かってないので(紋章のことでいいのかな??でも別に旗に描かれてた紋章に翼のモチーフもなかったような。。)、え??あやな???あやなが黄金の翼なの??と盛大な勘違いを一瞬しました。即座にそんな訳がないと思い直しましたが。。
途中で舞台から消えるまであみちゃんと一緒にマヌケとトンマっぽいな(CASANOVAでコンデュルメルの部下だったマヌッチとトマシみたいな)と思っていたので、そんなドヤっと再登場すると思わなかった舞台から消えてる間にスパイやったり軍を率いてたんだね。。そしてそこそこの地位だったのね。。。マヌケとトンマっぽいなと思ってごめんね。。

 

久城あすは存在感を発揮する
やーーーあす君うまかったし、良かったよー。やーーー好き。
あす君、良いなぁと思ったの義経のエイサイ役からなんですが(その頃はまだ上級生もよく分かってなかった)凄く上手というか存在感のある組子さんだなーと思ってたら、20世紀号のジョンソン先生もそんなに出番が多くないのに最後の締め(というか笑い)をピシっと演じてくれて、凄く上手な人なんだなぁと思ってました。今回のグリエルモも凄く良かった。
割と青田買い気質なとこがあって可愛い下級生にきゃいきゃい騒いでるタイプなんですけど、でもそれが出来るのは上手な上級生が居てくれるからだよな、と思ってます。
上手な上級生が居てくれるから雪組の舞台は安心して観られるんだよな、と今回のあす君を観て改めて思いました。

 

叶ゆうりは何でもできる
酒屋の主人が上手だな、と思ったら叶ゆうり君でした。
ゆうり君、スタイル良いしお歌上手だし、何でもできる組子さんで良いですね。
酒屋の主人で、この子上手いな誰だろう?と思うのって中々ないので、よっぽど私の心にクリーンヒットしたんだと思います(笑)

 

なんか見出し(?)がふざけた書き方になってしまった。。
書いてないけどひらめちゃんは相変わらず芸達者だし(酒場の場面(落ちぶれてからともいう)良かったな)、みちるちゃんとりさちゃんも可愛かったし、雪組子は最高だったので本当楽しかったです!
観劇後、にわかなりに自分の知ってる宝塚と違っていたので戸惑いが凄く大きかったのですが、でも変な話今までで一番「宝塚を観た!」という気持ちになりました。確かに観る前の宝塚のイメージってこんなんだったよな、と。。今初めて宝塚に出逢ったのかもしれない、観たのかもしれない、みたいな気持ちになってしまいました。
あと大劇場が悲劇ばっかで辛い思いばっかしてるので、こんなこってこての少女漫画を観れて凄く幸せだなーとも思いました。
だいきほの持ち味や似合ってる作風は悲劇テイストなのかもしれないけど、やっぱりファンとしては違うテイストが観たい訳で、「20世紀号に乗って」はだいきほをはじめ雪組子はここまで出来んねんぞ、っていう「宝塚」の枠を超えた作品で、「はばたけ黄金の翼よ」は2人の持ち味とは違うけれどそんな2人がひと昔前の「the 宝塚」を演じた作品ということで大劇場の作品では味わえない楽しさがいっぱいつまっていました。
(持ち味とは違うけれど似合わない訳ではないし、2人共舞台上ではちゃんと似合ってるのが凄いなぁと思います。)

 

MR!は元々が最高なんですけど、今回変更点部分が凄く好きでした。
Jazz Sensation!で本公演ではあやなとあがちんが演じるサックスとトランペット吹きを上級生の娘役さんにしたり、Music is My Lifeの89期の2人を組替えの2人にしたり、such a nightのあみちゃんとみちるちゃんもすごーーーく可愛くて可愛くて、あと階段降りで娘役さん、みちるちゃん、ひらめちゃん、りさちゃんで降りてくるのもすっごいい可愛くて可愛くて嬉しかった。他組見ても雪組はあまり娘役さんに階段降りさせないのかな?と思ってたから娘役さんの階段降り嬉しかった。やっぱり華やか!

実は12日にハリゴシを観に行く予定だったんですが上演中止になり、改めて幕が開け無事に幕が下りる、そしてそれを観劇できるということは奇跡に近いことなんだなぁと痛感しました。ので、本当にこの公演だけは絶対に観たくて観たくて台風吹き荒ぶ12日はずっと台風情報を見ていたような気がします。本当、無事観れて良かった。
余談ですが、この間ハリゴシのチケットを払い戻ししてえげつない手数料にドン引きました。
いつもクレジットなので直視してなかったから。。。。
本当、何で手数料で1000円近く取られるんだろう。。。意味が分からない。。