【In The Heights】プレビュー公演

 

めちゃくちゃ公演内容ネタばれしてるので、要注意です!!!

 

 

観劇途中から、RENTっぽいなーと思ってたのですが、観劇後に大原さんの下記、呟きを見て納得。
RENTの影響をモロに受けてる作品なんですね。

 有名な作品ということは知っていたのですが、何も知識がなかったので知識がないまま観たら自分がどう感じるのかどう受け止めるのかということを知りたくて、あらすじもよく読まずに観劇しました。結論から言うと失敗だったかな、と思います。
というのは主人公ウスナビのパートがほぼほぼラップで、全く聞き取れない訳じゃないんだけどやっぱり所々聞き漏れてしまうところがあって、作品や一番大事なウスナビのバックボーンや心情がよく分からないまま話が進んでしまって観劇中ずっと頭の中にうすらぼんやりと「?」が浮かんだままでした。
ウスナビはドミニカ系移民2世、いつか母国に帰りたいと思っている。(ここちゃんとあらすじに書いてあったのに。。)この情報があるだけでも作品の理解度は違っていたし、ラップを聴きとる手助けになったし、もっと楽しめ観劇出来たのかな、と思います。(ここまで書いて自分、バカなのでは??と思ってしまった。)

という訳でこの物語におけるウスナビの立ち位置がぼやけたまま観劇を進めた結果、ニーナがメチャクチャ主人公っぽく見えました。
元々、ニーナ役の田村芽美ちゃんはこの作品に関わらずミュージカル女優として評判が良いのを知っていたし、W.S.S.を観劇した友人から良かったよと報告を受けていたので期待値が高かったのですが、その期待値をポンと上回ってくれました。いや、芽美ちゃんとても良かった。今回のこの1公演観劇しただけで彼女をとても好きになってしまいました。芽美ちゃん自身も凄く良かったのですが、ニーナ自体が理解りやすいキャラクターだったのも手伝っていたのかな、と思います。
貧しいコミュニティの中ではお金がある方だけど、そのコミュニティを出ると貧しい部類に属し、優秀だけどアルバイトと勉強の両立は出来ない、アルバイトをしないでも済むお金があれば、と思いつつ、期待されていること、家庭が決して裕福ではないことを知っているからもっとお金をちょうだいとは言いだせない。大学を逃げ出したけれどその足でHOMEに逃げることは出来ない。家族のことは大好き。ベニーのことを愛しているけれども家族に自信満々に紹介することができない。
という少女漫画らしいキャラクターだったので、自身の葛藤と、もう一人の主人公であるベニーとの恋物語が分かり易く馴染み深いものだったので、観劇しながらニーナが主人公っぽいなと感想を抱きました。
AAA2018で壮ちゃんが大原櫻子ちゃんと「サンライズ」を歌った時、2人共本当に凄く可愛くてメロメロになってしまって、今回壮ちゃんの恋愛の演技を観れる!と楽しみにしていたのですが、メロメロに恋愛してるのはニーナとベニーでした。そして、「サンライズ」も2人の曲だった。
芽美ちゃんととんちゃんのカップルは本当に可愛くてお似合いだったのですが、今回初めましてのとんちゃんこと、東啓介くんは知ってはいたのですが、本当にデカいですね。壮ちゃんは言わずもがな、阪本奨悟君も大きい方ではないので1人、断トツででかかったですね。彼シャツがただのワンピース。(芽美ちゃんも165センチあるなら決して小柄な方じゃないのにそれでも身長差が凄かった。。)スタイル良すぎて浮くぐらいスタイル良かったですね!!!

ウスナビの恋愛、ヴァネッサとの関係なんですが、やっぱりニーナとベニーの関係が分かり易い分、割を喰ったというか、ヴァネッサのキャラクターをもっと理解出来ればなーと思いました。
久しぶりの観劇(約2か月ぶり)で1日経ってコレを書いてるのですが、観劇後からずっと音楽が鳴り響くし、3時間目の前で起こったこと、見たことを消化しようと少ない脳みそがずっとフル稼働してる状態で、Inputしたものを落とし込もうとしてるけど、見足りなかったところやよく分からなかったところを思い返して単純に悔しい。というのは絶対に舞台を観る能力が落ちたなと思うこと。コロナの所為で観劇回数がガクッと減って、生の舞台に触れない日々が積もって、久しぶりに観劇すると目の前で起こってる膨大な情報を処理する能力がこんなにも退化するんだな、と思いました。
コンスタンスに見続けてたら初見でももっとヴァネッサの心情や石田ニコルちゃんの演技も理解できたのに。
個人的にヴァネッサのお母さんが依存症患者でヴァネッサがアダルトチルドレンでイネイブリング(依存症者を手助けすることでかえって依存症の回復を遅らせてしまう周囲の人間の行為のこと。By 厚生労働省)してること(劇中では結果的に酒代を払ってるとことか。ヴァネッサ自身は酒代のつもりでお金を渡したつもりはないのだけれども、依存患者にお金を渡してしまうのがイネイブリングっぽいなと思いました)やハイツを出たいということにもっと時間を割いてもいいのかな、と思いました。
ただこれはもう一回観劇したら印象変わるかもな、と思ったり。。
あとウスナビはあなたのこと好きなのよ、と周囲に言われて初めて彼を意識するという描写がウスナビが大金を手にした後なので、そんなことは全然ないんだけど、お金目当てなのでは、とうっすら感想を持ってしまった自分がちょっと悲しい。心が汚れている。。
石田ニコルちゃんは2012年にRENTのミミ役を演ってることは知ってたのですが、実際に観てみると、ミミっぽいなぁというか過去にミミを演ってたの凄く分かるし、彼女にミミを演らせたくなるよなぁと思いました。女優さんを観て初めて、ミミ役者!!!と思ったかもしれない。彼女のミミを観てみたかったな。

阪本奨悟君は彼が越前りょーまを演ってた時から知ってるので、あのしょごたんがこんな大きくなってと親戚のおばちゃん感が止まらなかった。当時のあの可愛さを残しつつ格好良くなって、なんという育成成功。
いい感じに生意気なソニーで凄く良かったし、唐突に大金渡されて悪いことをするでもなく従兄のウスナビが離れて行ってしまう淋しさや困惑にワタワタしてる演技が好きだったな。

冒頭にも書いたのですが如何せんウスナビの心情が今ひとつ理解できないまま話が進んでしまったので結末がちょっと自分の中で消化しきれなかった。
理解は出来てるのですが、自分の意志で来た訳ではない異国の地でいつも帰りたいと思っていた母国に初めて帰れるという時に心を覆してここがHOMEだ!ってあのシャッターの絵を見ただけでそう思うの??と思ってしまって。自分がちょっと家族と縁薄い人間なのであの流れを理解し辛く拒否反応を示してしまったのかもしれない。。家族と中の良い人はしっくりくるのかもしれませんね。。ここら辺はちょっと分からない。。
(ただ「家族や仲間との絆ー」と謳ってるミュージカルなんで理解し辛いと言われても製作側としては知らんがなと思うだろし、ターゲット外のお客さんですね、となりますよね。。)

あのシャッターの絵にプラスしてヴァネッサとの関係がもうちょっと密(彼女がHOME)に描いてたらもう少しすんなり自分の中に落ちたのかな、と思います。
恋愛面をニーナとベニーが担っていたのでどうしてもウスナビとヴァネッサの関係が弱く感じてしまったので、もう一パンチ欲しかったな。
これは自分の感受性が鈍いからだと思うのですが、Heightsは育った場所だけど本当の家じゃないと「いつか帰りたいHOME」=自分を無条件で受け入れてくれる場所を心でずっと求めてる主人公に恋愛のパートを振ってしまったが故に軸がブレてしまったように感じたんですよね。もっとヴァネッサの関係を濃くして、Heightsに残る最大の理由ぐらい比重を重くしても良かったかな、と思います。

私は壮ちゃんの演技が好きなので舞台を観る度に毎回わーーー好き!!!となるのですが、今回はラップを聞き取れず、ウスナビの心情が分からないまま物語が進んでしまって、彼の演技プランや良さというのは沢山あったと思うのですが、自分が理解出来ず零れてしまったのが本当に悔しい。やっぱりちゃんと予習をしておくべきだった。
今回のIn the Heightsに限った話じゃないけれど、観劇した内容をより楽しめる為には知識を身につけなきゃダメだよな、と改めて実感しました。
別に今までだって勤勉に生きてきた訳じゃないけど、コロナ禍になって1年怠惰に生き過ぎた。人とも会わないし、もう他人の心の機微とか全然分からないような気がする。。
理解できないことが多くて残念だったけど、メインじゃない時、食料品店でソニー役の阪本奨悟君とずぅっと細かい演技をしてたり、クラブでヴァネッサのことダンスに誘えなくてワタワタして違う女の子と踊っちゃったりとかそういう繊細な演技はいつも通り凄く好きだな、と思いました。
あとアブエラが亡くなった時、一人舞台の中央で語り出すところ。
メチャメチャRENT~と思いつつ、この人は本当に芝居の強弱が上手で場の空気を引き上げる力がある人だなと思いました。
ACTシアターで観劇予定なので、理解できなかったところが理解出来たらいいな。
そしてこのカンパニーが無事に完走出来ることを願っています。

 

余談

・大船遠い。けどあの辺りに住んでる人、いつもその遠い思いをしてるので1回ぐらいで文句を言うなと言われそう。
・会場まで徒歩で10~15分という情報に遠いなとか思ってたのですが、近くはないけどそんな体感的に遠くもなかった。雨降らなくて良かったね。
・会場で鳩サブレの袋を持ってるお嬢さんを見て、時間の使い方が上手~と感心しました。鎌倉も横浜も何も見ていないし、何も買ってもいない。(崎陽軒のしゅうまいとか買えばよかった。。)
・ナンバー終わりに叫んでる莫迦が居た。このご時世に!!!
・感想でヴァネッサのことをアダルトチルドレンと書いたのですが、自分が依存症に関して敏感なところがあるので、「お母さんが電気代を酒代に変えちゃった~」の科白にメチャクチャ反応してしまった。。
2年ほど前にたまたま下記の依存症啓発漫画を知って、読んだ後に減酒を開始しました。2年前に比べて大分飲む頻度も量も減ったけどもっと減らしたい。
3月31日まで無料で見れるらしいので(まだ見れるので見れる内はLink貼っときます)、お酒好きな人は読んで欲しいなと思います。
(見れなくなったらLink削除します。)⇒削除しました。

最近公開された新しいアプローチの依存症啓発漫画。(こちらは暫く無料の筈)
アダルトチルドレンの描き方がリアルで胸をえぐります。
あと5話のお母さんの決断を作者が共依存から抜け出せたのでハッピーエンドって言っていたのが衝撃的だった。