The Musical『ミア・ファミリア』

 

楽しかったです!!!

 

12年前のハンサムでユニットを組んで華麗組と呼ばれ、ネット配信番組を持ち、ミニアルバムも発売し、次は有観客Liveだよね、と思ってたところ、まさかの3LDKだけの舞台!!!箱が小さい!!!当たった2枚は平日マチネ!!!土日は無理かもと諦めてたけどまさかの平日ソワレもダメだったのでちょっと笑ってしまいました。うーん、人気だなw

オリジナルは韓国ミュージカルで現地で人気のある作品ということでトンチキな話ではないだろうな、と思いつつも自分は「フランケンシュタイン」とかピンと来なかった人間なので、韓国ミュージカルは趣味じゃないのかな??と若干の不安を持ちつつ観劇に赴きました。

結論を言うと、初回の観劇時は想像してたのと少し違うな、感想を持ちました。
そこを飲み込んだ2回目は凄く楽しかったです。

あらすじを読んだ時はもっとコメディコメディしてる作品だと思ったので。

公式から拝借したあらすじは下記です。
『1930年代、大恐慌時代のニューヨーク。明日には閉店する「アポロニアイン&バー」には、舞台が人生の全てだったリチャード(平間壮一)と金持ちの娘との結婚に気を取られているオスカー(水田航生)が、最後の公演準備をしている。
その時、マフィアの手下、スティーヴィー(植原卓也)が押しかけてきて、ボスの自伝「ミア・ファミリア」を今夜上演しろと迫るが…。
あまりにも違いすぎる3人のリハーサルが始まる。』

当初はスティーヴィーを巻き込んで「ミア・ファミリア」を上演しようとしてドタバタコメディが始まると思っていました。実際コメディの部分は劇中劇「ミア・ファミリア」が担っていたと思います。個人的に予想外だったことはアポロニアで本来最後の公演として行われる予定だった「ブルックリン・ブリッジの伝説」も劇中劇として組み込まれていたことです。
初見時、「ブルックリン・ブリッジの伝説」は序盤にあってもいいけど最後まで描かなくても別に良かったのでは??と思ってしまいました。というのは重ねての記載になるのですが「ミア・ファミリア」のあらすじを知った時にコメディだろうなと思ったし、個人的にドタバタコメディが観たかったというのもあるので。。
でもこれは完璧にそう思い込んでたこちら側の問題だからな。
コメディだけどシリアスなところもあるよって作品としては凄く魅力的でそこが好きだという人も多いと思うし、魅力の一つだなと思うんですが、混じりっけなしの3人のコメディもちょっと見たかったなと初見時は思ってしまいました。

これなんかザファで宮城の過去は要らんから、山王戦だけを描いて欲しかったっていう感想に似てるなって思ってしまいました。
ザファはあの描き方が至高で私も見る度に展開なんて分かりきっているのにラストいっつもアホみたいに号泣して、あれ以外の内容なんて考えられないと思ってはいるけれど、山王戦の映画化と期待して見に行って面白いし良かったんだけど思ってたんとちょっと違うな、試合内容だけで1本観たかったなっていう感想を抱くのはまあ気持ちとしてわからんでもないと思います。何かそんなことを思ってしまいました。
(唐突になんの例えやって話なんですが、今人生がザファで回っているので。。)

あとスティーヴィーの存在が薄く見えてしまったので、「ブルックリン・ブリッジの伝説」を削ってもっとスティーヴィーの人物像が分かる描写があってもいいのかな、と思ってしまったんですが、この作品が3部作ということを考えたら別にこの「ミア・ファミリア」だけで全てを描かなくても良い訳だし、何よりネットで感想漁ってる時に知ったのですが、「ブルックリン・ブリッジの伝説」はサニーボーイの過去を描いてるらしいので(この情報知った時、ああ確かにと思いました)、まあそれは削る訳にはいかないですよね。

演者については3人共凄く良かったのですが、1点だけいうとするならば幕開きのたっくんのお歌がちょっと弱かったかな、と。あの歌は観客をグッと物語に引き込む歌なので、もっと聴き応えがあったら物語の中に一気に吸い込まれて集中力を高めて観劇が出来たのかな、と思います。スティーヴィー役はとても良かったし、なんやかんやと劇中劇「ミア・ファミリア」をやらされるのも、ルチアーノ・ボチェッティ役もブーティ役もとても良かったです。個人的に臨終間際のルチアーノ・ボチェッティ役が好きでした。
水田君も良かったです。というか彼はとてもコメディが上手いですね。コメディ上手いっていうのは「ダブル・トラブル」見に行ってたので知ってたのですが、それでも改めて上手いなと思いました。やっぱ関西人だからですかね(たっくんも関西人だし、たっくんもコメディ上手いけど)ブーティ役がはまり役だったなー。すんごい可愛くてチャーミングなブーティだった。あと「ライムライト」の哀愁も良かった!
壮ちゃんは言うことなしというか、相変わらずの表現力でした。
やっぱ私は彼のお芝居が好きだな。
コメディの合間に生じるシリアスなシーンが壮ちゃんのお芝居で引き締まって、それが作品に良い緊張感を与えていて凄く良かったなと思います。
今年、あまり彼の出演作にピンとこなかったので、個人的に観劇収めの作品で楽しい気分になれたのは本当に良かったです。

アンコールの客降りは本当楽しかったというか凄かったです。
いや、まじで。
やっぱりどうしても推しのことを観てしまうんだけど、ステージの上から1人の観客をロックオンしてずっと見つめて離さない推しをみて、一本釣りっぽいなって思ったし、その後も舞台から降りてガンガン観客に触れていく姿を見て、「触っていいんだ?」ってビックリしてしまいました。
そして平間氏だけが凄いのではなく後の2人も凄かった。
水田くんが一番目の前に来てくれて(すんごい可愛くて恰好良かったです!)ニコニコの笑顔で周囲を落としていったし、植原氏は曲終わりでステージに戻る時、観客の肩や背中を触りながら戻っていってた。
これ遠目から見てると、不意に肩触られて「えっ?」って振り返ると誰も居なくて、不思議に思って前を向くと颯爽と舞台に向かうたっくんの姿が見えて動揺する観客の姿が見えて思わず「う、うえはら~~」という謎の叫びが心の中で湧きあがりました。
あとたっくんは観客の肩抱きながら歌ってる姿も見たので、まじで怖いなって思いました。というかさんえる全員怖いわ。
本心は分からないですけど、3人共凄く楽しそうだったので、それはファンとしては素直に嬉しかったですね。やっぱ推しにはニコニコと笑っていて欲しいよ。

今回の作品がコメディということでかつて三人が出演していた宝石シリーズを思い浮かべる方も多かったのかな、と思うのですが、まだ若手で何者になるか分からない時分に事務所の仲間と出演した楽しいコメディ作品を、13年の時を経て色んな役者の方と共演し、色んな作品に出演し、色んな役を演じてきた経験を経た今、あの時の作品みたいだねと思い起こせる作品をまた観られるのは何とも言い難い幸せだなと思います。
ずっとファンでいて良かったし、13年前の宝石シリーズを知らない新しくファンになった方が3人が若手の時の作品を思い起こさせる3人だけの舞台を見れるのは本当に凄いことだと思います。

3部作と聞いているので、勿論、続編も3人で演ってくれると信じているんですが、ネット情報だと暗い(?)作品らしいのでだったらまた楽しい作品の「ミア・ファミリア」の再演でもいいかなー、と思います。
でもやっぱ有観客Liveしてくれ!!!

そういえば不満は冒頭でも書いたチケットが取りにくかったことかな。
(作品の内容的にはこのサイズが丁度良い気もするんですけどね。)
ただ2回観劇後にチケットあったら(客降り関係なく)もう一回観たかったな~と思ったのでやっぱ気軽に追いチケできるサイズの劇場でやって欲しいとも思います。(まあ興行的にはチケット売り切っちゃうのが正義なんでこれは客の我儘ですが。)
2回共お邪魔した平日昼間でも観客席しっかり埋まってたんですが、多分ほぼほぼさんえるファンだったんだろうな。折角だから韓国ミュージカル好きな人が「ミア・ファミリアの日本版演るならちょっと観てみたいな」という気持ちのまま簡単にチケットが取れる環境だったら良かったのにな、とも思ったりしました。