地球ゴージャス『クラウディア』

 

ただの個人の感想。

 

観てきました。

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発表された時、地球ゴージャスか、、、と思い、
今回はパスしようかな、好きでいるために観ないっていう選択肢もありなんじゃないかな?と思ってたんですが、クラウディアは大丈夫という情報を聞き、いやそれでも脚本書き直す可能性もあるしな、と大分躊躇したんですが、最終的に友人に
「観なかったことに対する後悔を口にするのは止めてね、」と言われ、そんなダサいことはしたくないなとチケット取りました。
でも、取った後も本当に観たことに対する後悔はしないかな?と幕が上がるまでずっとソワソワしてました。コロナ禍の今、幕が上がるまでずっとドキドキしてるものなのに違う動悸がしてました。
余談ですが、最近クリエで幕が上がった直後に中止となった舞台の話を聞き、地獄……と思いました。仕方がなかったとはいえ、客のことをなんだと思ってるんだ、、、と思わざるを得ない。

私は地球ゴージャスが苦手な人間で、
何故、苦手なのかは多分、地球ゴージャスを苦手な方々と理由は違わず、舞台観に行ってるのに講演会が始まることが嫌すぎて堪らないんですよ。
私が推しを好きな理由の一つに出演する舞台がどれも好みで、素敵な舞台に出逢わせてくれた喜びをいつも味わえるということがあり、単純に彼を追っていて楽しいんです。
ただ、推しのことを本格的に推し始めようとした時、地球ゴージャス『The Love Bugs』のプリンシパルに選ばれて今は亡きストラボでドキュメンタリーとかあって、彼も凄く喜んで、舞台役者として大きなターニングポイントの作品だと分かってはいたけど、なんとなく観に行かないって選択をしたんですよね。
多分、まだ1万円以上もするチケットを買うことに抵抗があったのかな?
(その前のRBでホイホイとチケット増やしてたし、遠征も企てたけど…)
当時の自分の心境は今となっては遠い昔で分からないけど、その時は観に行かないって選択をしました。
数か月後、WOWOWで『The Love Bugs』を観て、自分のなんとなくの選択は間違ってなかったんだな、と思いました。あまりにも酷すぎて好みじゃなさ過ぎて、途中で観るの止めました。本当、好みじゃない作品てこんなにも拒否反応示すんだな、と身を持って知り、自分の中で地球ゴージャスは地雷とカテゴライズされました。
もう一生観ることはないんだろうな。
願わくば推しは出ないでくれ。(ただ事務所的にそれは無理そうだ)
と自分の中で特級呪物として記憶の中に封印していたものが今回推しの出演作として放たれてしまいました。

 

そんな超アレルギーを持って観劇したのですが、
一言感想を言うならば、
『やっぱり好みじゃない、でも、推しの役は死ぬほど好み』でした。
ただ、好みじゃないと言いつつ、殺陣やダンスシーンは本当エンターティメント!!!って感じで迫力があって凄く見応えが合って楽しかったし、演者の皆様は本当素晴らしかったです。
特にアンサンブルの皆様はずっとダンスしっぱなし、でずっぱり、台詞も多く、本当大変だったと思うんですが、どのシーンも素晴らしくて舞台を観るのが楽しかったです。
多分、推しよりアンサンブルの方々の方がずっと舞台上にいたと思います。
自分が楽しいと思う部分が想像以上に多くて、そのことは嬉しいよりもホッとしました。
推しはこんな役観たかったなと存在感のある役で、ところどころで舞台を締めて占めて、本当に素敵でした。
この役を生で観れて良かったなと幸せだったな、と思えたので、観に行くという選択をしたことは間違いなかったなと思いました。
ただやっぱり好みの作風ではないし、何よりも観劇しながら好みじゃない表現に過剰反応してる自分が嫌で堪らなかったです。
観劇は本来楽しいものの筈なのに、否定を前提として観客席に居る自分が何よりも嫌でした。
自分はこの作品に携わる方々にとって本当に失礼なことをしてると思うし、こういう気持ちで舞台って観るものじゃないよな。
好みじゃないものを観に行って、やっぱり好みじゃないって文句を言うのって、卑怯だし汚いし、だったら来ないという選択をして下さいと思われるんだよなって、ブリリアのホンの少し手摺りが邪魔した視界を眺めながら矮小な自分に軽い眩暈がしました。
もう一度繰り替えすのですが、楽しい部分は本当に沢山あったし、唐突に開かれる講演会もなかったし、それは本当に良かったんです。楽しかったです。
ネガティヴな感想を伝えたい訳ではないし、『クラウディア』を楽しい、良かったと思う人は、私の想像よりも沢山居ると思う。
ただ、私は地球ゴージャスと信頼関係を築けてないので、どうしても、大丈夫なの??良いの??と不信感が拭えてないんだなと思います。

そういえば、私が地球ゴージャスでもう一つ好きになれない、シリアスなシーンで不用意にぶっこまれるおちゃらけた笑いのシーンなんだけど、これ、近くに座ってた岸谷さんと同世代ぐらいの男性が楽しそうに笑ってて、
あっ、これ、彼等ぐらいの年代の方々には面白いことなんだ。
岸谷さんは本気でこれが観客に受けて、面白いと思って演ってるんだって
気付いて、血の気が引きました。
私の周りに座っていた同年代の女性の方々はクスリとも笑っておらず、
彼等の笑い声が鮮明に耳に届いて、一層、寒気を感じました。
観客は女性だけのものではないし、私の周りに居なかっただけで所々入れられる笑いのシーンを楽しいと思う方も少なくないと思いますが、私は楽しいと思えなかったし、やっぱりそういう小さなところが本当に好みじゃないなと思いました。

ので、感想としてはこれ以上のことは特にないなという感じです。
脚本も所々ツッコミ所やよく分からないところもあったのですが、端っから自分が分かろうとしていないし、これ以上観劇を重ねることもないので、不明点は不明点のままです。
でも、それでいいです。

以前友人が雪組の『fff -フォルティッシッシモ-』を観劇した際、「面白いとは思ってないよ。でも、ウエクミのいつもの人妻悲恋物をやられるよりマシ」と評していて、自分はまさにそれだなと思います。
面白いとは思ってないけどここ最近の地球ゴージャスをやられるよりは遥かにマシだな。と本当にそれが一番の感想。
ただ、ネガティヴな感想と捉えられるのは本意ではないです。
良いところも悪いとこもあるし、どれだけ許容できるか、本当に好みによって感想や判断が分かれる舞台だなと思います。
まだ始まったばかりの舞台なので、百聞は一見に如かず、という言葉がピッタリなのかなとも思います。
まあ一見する費用がバカ高いんですが。。。

 

唯一、もう一回観たいかなと思うのは甲斐翔真君の細亜羅を観たかったなという未練ですね。
というか自分は初日・千秋楽の拘りがない人間なのに、なんで今回初日取ったんだろ、本当謎。。。
(初日や千秋楽は出来たら観たいなとは思うけど、そこを目標としてキャストの言葉を聞くことに執着するのが嫌なんですよ。観劇があくまで自分の第一目標で居て欲しいので。)
甲斐翔真君の細亜羅、凄く良いだろうなと観てない、観れないけど期待値は凄く高いです。
新原君の龍の子も推しとは違うまた素晴らしいものになると信じてます。
キャストについて特に書いてないのですが、
芽実ちゃんは本当素晴らしく、観ていて安心できるミュージカル女優さんだな、と大好きだなという思いが更に強くなりました。『ヘア・スプレー』はまた違ったお役だけど、こちらもまた最高を更新してくれると信じてます。
廣瀬君はロミジュリ以来??お久しぶりでしたが、舞台映えする体躯が相変わらず素晴らしく、あとクソツマンナいお笑いシーンを寒くならないように演じててなんかすいませんという気持ちと事故を最小限に抑えてる姿を見て、良い役者さんだなという気持ちがごっちゃになってました。
美弥ちゃんはほんっとう、相変わらず顔が小さくて細くて綺麗で所作が美して、舞台に存在するだけで華やかなのが本当に良かった。本当、綺麗。。
がうちは観るのいつぶりだろうと考えて、答えが出なかった。。
本当ひっさしぶり過ぎて前の記憶もないぐらいだけど、存在感があって、低音が響いて良かったです。
湖月わたるさんは、兎に角ここまで説得力のある人いないねって思うぐらい舞台上での存在感が別格だったのが眩しいほどでした。
プリンシバルもアンサンブルも本当に絶巧で、キャスト目当てで観に来たら絶対に満足できるなと、そう思う程皆さま本当に輝いてました。

 

余談

初日・千秋楽にこだわりないと書いたのですが、今回、初日観れて良かったです。
スペシャルカーテンコールで推しが「過去の自分の許せないところを許してあげて、他人のことも許してあげましょう(意訳)」と言っていて、ああ、本当にこの人は伝えたい芯はぶれずに誰にも侵せない強さを持ってるんだなと凄く胸が熱くなりました。
人を楽しませることの一つにお笑いがあって、それは間違いではないし、それで救われる人は沢山いるけど、人の真摯な思いを誤魔化さず伝えてあげる余白を持つ、その確固たる信念が揺るがない推しを、本当に私は好きだなと思います。
相変わらずいつまでも自慢の推しです。
ありがとう、大好きだよ。