【ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~】①

 

 感想、とはちょっと違う再演を熱望して止まない舞台のお話です。

 

 

寝ようかな、とtwitter見ていつものように携帯でアラームをかけようと思ってたところにとんでもない呟きが飛び込んできました。

 https://twitter.com/kakizawa_hayato/status/953642599646035968

https://twitter.com/kakizawa_hayato/status/953644562995556353

もう本当に心臓鷲掴みにされたみたいに動けなくなって、奥深く仕舞っていたものがぐわぁーっと吹き出して止まらなかった。シアタークリエの座席に座って、幕が閉じても立ち上がれなくて泣くしかなかったあの瞬間に一気に戻ってしまった。本当にそんな感覚だった。

 

『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』

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元々私は平間君のファンで、壮ちゃんの新しい舞台行く行く~ぐらいなノリでこのお芝居のチケットを取ったんですよ。柿澤君の名前も松下君の名前も知っては居たけど観たことはなくて、だから2人についての印象は観たいと思ってる人達が観られてラッキーぐらいでした。
そんでこのお芝居のチケ取り時、大ボケをかましてしまい、間違えて初日のチケットを取ってしまったんですよ。何年もアミュモバ使ってる癖に最後に日にち修正出来るだろうと、出来ないのに何故かそう思い込んで最終申込まで行ってしまって。本当にあーーーーって感じでした。でも、その時はまあ初日のチケットなんて取れないだろうし、まっ、いっか、本来行きたかった日のチケット取ろーぐらいの感じでした。
当落発表日、両方共取れてて、まぢか。。と思いました。
幸いなことにお仕事がそんな忙しい時期でもなかったので、有給申請したらすんなりお休み取れたので、2016年6月6日にシアタークリエへラディアント・ベイビーを観に行って来ました。
予備知識としては、RENTと同時代、HIV/AIDSが物語のキーの一つ、ぐらい。(個人的にあまりお芝居の予備知識を入れたくない人。)
楽しみだなーって劇場入って、出てくる時には、柿澤勇人ヤバい。。。」状態でした。
いや、本当に。『柿澤くんが素晴らしく素晴らしくて!!! 柿澤くんの為の舞台と言っても過言ではないほど素晴らしかったよぉおおお!!!! 』と当時のメモに残されてるぐらい素晴らしかったです。


柿澤君は主役のキース・ヘリング役。タイトル通り、アーティスト、キース・ヘリングの生涯を演じるこの舞台。柿澤君てキースだったのかな?と思いました。
共演者の方が「カッキーが本当にキースで、」みたいなことをインタビューでおっしゃっていて、始めは、「何言ってんだよ、」ぐらいの感じで聞いてたんですが、劇場を出る時には「キースがそこに居た、」ってなったんですよ。
何者でもない少年時代、表現する喜びを知って、N.Y.に来たのに同士が居ないことに寂しさを覚え、親友に出会い、愛する人と結ばれ、ゲリラ的にアーティスト活動を行い、有名になり、そのギャップに苦しみ、そして……。という彼の生涯を全身全霊で演じた姿はまさにキース・ヘリングで、柿澤君が本当にキースだったって私も思いました。キースがそこに居たって。
次の観劇予定日は2週間後。いやもうそんなん耐えられないわって、速攻その週末のチケット探しました。幸運なことにチケット取れたので、再びシアタークリエを訪れました。
前回は初日だったし音響の関係で聞き取り辛い歌詞もあったから、今回は分かる部分が増えてたらいいな、という期待もあったのですが、結論から言うと、えっ??これは一週間前に観た舞台と一緒なのかな???と驚愕。アンサンブル含め、キャストがとんでもなく進化し、初日と別物じゃん、って思いました。

もちろん今まで色んな舞台観て来て長い公演期間を経て、初日と千秋楽が別物になることは知ってたけど、それでも1週間でこんなにも変わるの??って本当にびっくりしました。

更に弾けた柿澤君。
エキセントリックさが増した壮ちゃん。
キースへの愛憎がぐちゃぐちゃになった松下君。
何も出来ない哀しみを伝える知念ちゃん。

初日と全然違かった。初日よりずっと心に響いて来て、えっ??私、コレ、あと1回しか観れないの??嫌だ。ってもう1枚増やしてました。

終盤、柿澤君の正に独り舞台があるんだけど、歌って叫んで全身全霊で演じて、この役者さんは今、ここで死んじゃうんじゃないのかなって本当にドキドキした。

彼は上手くとか手堅くとかそういう演技が出来ない役者さんなんだなって思った。人がどう思うとか、どう伝わるかよりも今この瞬間、全てを出し切る。そしてその全てが観客席にダイレクトに伝わって、心が震えて仕方がなかった。泣かずには居られなかった。

観劇後、毎回同じことを繰り返してるんだけど、コレ大千秋楽観れないの嫌だってチケット取りました。大阪??知るか!!!遠征!遠征!ってホテルも予約して楽しみだなぁって受かれてる時に柿澤君が舞台で怪我したらしいって情報が入って、リアルに血の気が引きました。確かに柿澤君は出ずっぱりだし、あの熱量を1日2ステでほぼ休演なしでやるの大変だなと思ったし、あまりにも全身全霊で演じているので、体力大丈夫かな、とは思ったけど、まさかアキレス腱切るとは思わなかった。。
舞台での移動は片足跳びでしてるってレポ見て、休演にした方がよくない?と思ったし、大阪公演が中止だって知った時、本当にホッとしたのを覚えてる。そんで、心残りだろうなって。自分が観たかったというのは、もちろんあるけれど、あんなにも全身全霊で演じてる役をこういう形で終わらせてしまったのは、一言で言い表せない無念さがあるよな、と心がじゅくじゅくに痛かったのを覚えてます。

 その年のAct  Against Aidsに柿澤君、松下君、壮ちゃんが出演することを知った時、ああ、もう絶対行こう。この3人をもう一回観れるなんて奇跡みたいだって思いました。ラディアントの映像流れた瞬間に本当に嘘みたいに涙が出てきたし、壮ちゃんの「なあ、キース、」って台詞聞いた瞬間、号泣っていって言いほど、ボロボロ涙出てきた。アミュモバで取った席だったんで、多分周りの観客は同じように観劇した方々だったと思うんですよ。嗚咽、漏れまくってました。親しい人との別れの場なの?ってぐらい泣いてる人多かったです。
柿澤君が怪我した時、舞台が中止になった時、AAAにラディアント・ベイビーの3人が来るって知った時、自分と同じような想いをした人がここに居るんだなぁって、
本当にあの舞台を愛していたんだなぁって思いました。
普段だったら忘れたくないって、一生懸命覚えようとするんだけど、この日はあり得ないほど、心が揺れ動いてメチャクチャ泣いたということしか覚えてないです。

ちなみにこの後、3LDKでAAAの舞台裏がチラッと映ってて、それを見ても涙ですよ。

 

私ね、柿澤君のtweet、ズルいなぁって思うんですよ。ぶっちゃけ、反則じゃんて。
だって好きな役者さんにこんなこと言われて何かしたいって思わないファンています??それが自分がもう一度観たいって熱望してる舞台なら、尚更ですよ。
ただ、そう思う反面、ファン心理を見透かれているようで、ドキッとしました。
今でも東の宝系の舞台行くと、絶対アンケートに再演希望と書いてます。でも、じゃあ今まで観た舞台が楽しくなかったかっていうとそうじゃないんですよ。ロミジュリもデスノートも今、通ってる髑髏城の七人もすっごくすごく楽しくて、壮ちゃんの舞台毎に違う顔にいつも驚いて、楽しいって、観れて良かったなぁっていっつも思うんです。
舞台って素晴らしいな、生でお芝居を観るって凄く贅沢だな、って。こんなに楽しいものを観れて私は本当に幸せだなって。忘れてた訳じゃないし絶対いつかまた観たいって思ってたけど、それでも2016年6月に感じた感情が少し納まってしまったのは否定できない。
そんな中であのtweetですよ。お前らふざけんなよ、と柿澤君に横っ面はっ倒された気がしました。
役者さんがどれだけこの舞台演りたいって希望しても通ることはないですよ。どれだけチケットが売れるか、どれだけ物販が売れるか、ようは利益が出るかによって演目は決まると思います。(だから、まぢですずきひろき君って偉いなって思います。(チケット捌け率な意味で))
twitterでどれだけまた観たいなぁ
って書いても意味ないんですよ。それが東の宝さんの目に止まらなければ。
だからあんな直接的なお願いのtweetしたんだと思います。
本当にずるいなぁって思います。仕舞ってしまって随分経って、シアタークリエでTENTHが演ってるこの時期に、あのtweet。ズルいなぁ。再演なんて決まってねぇから、観たいんだったらガンガンリクエスト出せ!!!アンケートを書け!!!っていうお達しですね。

『キースは31でこの世を去った。だから僕も31でこの作品をまたやりたい。』って、そっか、そう思ってたんだって、やっぱり横っ面はっ倒された気がしました。

私、元々そんなに観劇メモを残す方ではなかったのですが(今はblogとかやってるんですが昔は淘汰されて残った感情だけ大事にすればいいや、って思ってました)、あの舞台に関してはこの感動を忘れたら、一生後悔するんじゃないのかな、って必死にメモってました。DVD化は望めないだろうしって。
ただ書き終わった後(大阪公演中止も決まって大分後だったので)、読み返すのが辛くて、そのまま放置してたんですが、あの柿澤君のtweetの後、久しぶりに読み返すと、こんな一文があったんですよ。
舞台中央から大きなジャンプ。
(凄く凄く大きなジャンプで柿澤君の魅力とキースの純粋さが合わさって印象的な絵だった。)

ああそうだ、この瞬間の柿澤君の笑顔が凄く凄く素敵で舞台セットの一部のようにマッチしてなんて魅力的な俳優さんなんだろうって思った。一気に引き込まれた、あの感情がリアルに甦って涙が出て来てしまった。

 

もう一回観たいなって本当に思います。
31でキース・ヘリングを演じる柿澤君を本当に観たいと思います。

www.jprime.jp

出来たら、壮ちゃんも松下くんも知念ちゃんもキャスティングされて、アンサンブルも変わらず、シアタークリエで
「This is world of Keith Haring~♪
 This is life of Keith Haring~♪」と幕が上がるように。
だってたった一週間であんなにも進化したキャストだか、らあれから違う舞台で分野で活躍して、またとんでもなくパワーアップして2016年の舞台とは違うものを観せてくれるんだと、私は思ってるんですよ。
幕が上がることが決定するまで私は東の宝さんにメチャクチャお願いするつもりです。

⇒東の宝さんのお問合せフォーム。(ちゃんと演劇部門があるよ。。)https://www.toho.co.jp/reference/explanation.php

 

ネタばれせずに魅力を伝えようとすると、よう分からん感じになりますね。
ので、②はネタばれありきというよりは、一方的にラディアント・ベイビーのここが好きだったんだよ、ということをツラツラ書きたいと思います。